クイズの後は、環境先進都市ドイツ:フライブルクを例にとり、どのような環境配慮が行われているのかをご紹介しました。
例えば、スーパーマーケット。
【日本】ではたいていの生鮮食品はトレーに入っており、ラップがされています。また、お菓子などは小分けパックになっており、それらが1つの袋に入れられています。
一方、【フライブルク】では、上記のような包装はほとんどなく、ばら売り、量り売りがされています。また、ヨーグルトやピクルスを買いに行くときはタッパを持参しなければなりません。
フライブルクでは、それが「常識」なのです。逆に、日本では、食品=包装されているのが「常識」です。しかし、その「常識」は適切なものでしょうか?環境先進国では、日本の過剰包装は「非常識」に当たります。そう考えると、包装するメリットとデメリットをもう一度考え直し、「常識」から抜け出す努力も必要になるでしょう。
今回の研修でも、「製品の梱包材は適切なのだろうか?」という疑問の声がありました。環境問題への取り組みとして、まずはそういった「気づき」が大きな一歩なのです。
その他にも、フライブルクには、ペットボトルのデポジット制度(*1)やサッカースタジアムのソーラーシステム(*2)などがあります。両者とも、市民の協力による環境対策です。
デポジット制度に関しては、日本でも大分サッカー場(通称ビッグアイ)や横浜・F・マリノスも「リユースカップ」(*3)という名で導入され、話題を集めています。また、今回のドイツ・サッカーワールドカップでは、有力スポンサーであるマクドナルドとコカコーラの「ドリンクボール(サッカーボール型をしたプラスチック容器)」に対し、環境保護団体から、「容器が回収されずに捨てられ、ごみとなってしまうのではないか」という批判の声が上がったことでも話題になっています。
ここで、気をつけなければならないことは、リサイクルとリユースの違いです。リサイクルは環境にいいことですが、そうでない場合もあることを認識しなければなりません。と言うのも、ペットボトルをリサイクルしようとすると、それを運搬するためにガソリンを大量に使用することになり、コストも3倍かかります。したがって、使用できるものは「リサイクル(再資源化)」ではなく、「リユース(再利用)」することが必要です。
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