株式会社新環境経営研究所−NMR−

潟Vマノ様セミナーOHSAS18001内部監査員研修


講師:小野木正人
OHSAS18001内部監査員研修資料
潟Vマノ様ISO研修内容

講師:小野木正人

日時 2006年5月24(水)
講師 株式会社新環境経営研究所 小野木正人
主催 株式会社シマノ様
企業紹介 自転車用駆動・ブレーキ部品で世界トップシェアの総合メーカー。釣具も展開されています。
社会活動に積極的に取り組んでおられ、ISO14001のみならず安全面に関わる法規・指令の順守を環境行動指針に揚げて活動されています。
OHSASは昨年度に取得済みですが、さらに安全面の取り組みを加速させるために内部監査員を育成することを目的として企業内研修会を開催されました。

セミナー内容

1.OHSAS18001の解説及びOHS法令関連解説

まずOHSAS18001について、同じマネジメントシステムである品質マネジメントシステム(ISO9001)および環境マネジメントシステム(ISO14001)と比較しながら、共通点・相違点を確認しました。
この理解は今後のマネジメントシステム統合化への布石となります。

次にハインリッヒの「産業安全の原理」と「災害の定義」を確認した上で、リスクマネジメントの基本的な考え方である「人は誤りを犯す」ものであり「機械・設備は故障する」ことを前提として、安全確保の3要素を学んでいただきました。

また労働安全衛生に関する法令の学習には、ケーススタディを用いて適合・不適合の確認をおこないました。法令自体は無機質で読みにくい面がありますが、具体的なケースを使うことで理解が深まったと思います。

⇒『OHSAS18001の特徴は、ISO9001とISO14001と関連付けて押さえましょう』

潟Vマノ様ISO研修内容1
2.OHS監査の実務手順解説
潟Vマノ様ISO研修内容2 監査は不適合(不具合)内容を指摘することが目的ではありません。これはあくまでも手段であって、不適合(不具合)内容をフィードバックすることでマネジメントシステムの完成度を高め、継続的に運用させることが上位目的です。したがって、監査員も監査を受審する側もポジティブに発展的な質疑応答が必要です。

本審査では内部監査の有効性の確認を受けます。すなわち計画・手順に従って監査は実施されているか、要求事項の適合性を監査しているか、の2点が重要なポイントになります。

監査員は力量(*1)の維持及び向上が必要とされています。実務経験を積み重ねるのはもちろんのこと、自己研鑽や社外研修会・セミナーへの参加により専門能力の継続的改善(CPD)(*2)に努めることが必要です。

⇒『監査手順は、配布資料「OHSAS18001の要求事項の関連図」を活用しよう』
3.グループ実習@監査チェックリストの作成

シマノ様が自社で作成されている「著しい危険登録簿(要約)」をベースとして、監査チェックリストを作成しました。

監査チェックリストは、監査の質の維持・向上や監査の効率運用はもちろんのこと、こうした効率的・効果的な監査を実施していることの証拠になり本審査において有用な資料となります。

ここで注意しておくことは、本チェックリストはツールであり、重要なのは監査員の心証(*3)なので、チェックリストをうめることばかりに重点を置かず、弾力的に運用することが大切です。

潟Vマノ様ISO研修内容3
4.グループ実習A監査の役割演技
潟Vマノ様ISO研修内容4 いよいよロールプレイングで模擬監査を行います。質疑応答はYes/Noで終わるのではなく、先に学習したヒアリング手法を駆使し相手から話を聞きだします。話を拡げることで本質をあぶり出し、さらなる改善につなげていきます。そのためには、しっかりと事実を確認できる質問内容とし、回答者も進んで事実を明らかにすることが大切です。

また通常時だけではなく、非通常時や緊急時の検証も重要です。もし、○○があった場合には、あなたはどうしますか?と仮説をたてて質問します。答えられなければ、どこに問題があるのかを明らかにしていきます。システムそのものが存在しないのか、システムはあるが陳腐化していて使えないからなのか。これを明らかにしていくことで、恒久的な対策を立てることができるようになります。

⇒『監査員の立場だけでなく、被監査者の立場での経験も、今後の運用に活かしましょう』
5.グループ実習B監査結果のまとめと意見交換
最後に結果を相手に通知します。不適合内容、改善内容に関して意見交換することで互いに内容の摺り合わせを行います。双方の納得が必要です。
また良かった項目、評価できる項目に関しても積極的に伝えましょう。ほめる事が大切です。


⇒『良い点・評価できる点は、どんどんほめましょう』
潟Vマノ様ISO研修内容5

NMR セミナー情報  NMR ISO研修   NMR お問い合わせ

(*1)力量
実証された個人的特質、並びに知識及び技能を適用するための実証された能力のこと。
(原文: Competence)
(*2)CPD 専門能力の継続的改善: Continual Professional Developmentの略語。
(*3)心証 訴訟事件の審理中に、裁判官が状況証拠から得た確信のこと。

株式会社新環境経営研究所 コンサルタント 西村仁(文章作成)
研究員 藤本富恵(web編集)