1.規格要求事項の解説と、内部監査の概要説明 |
まずISO14001:2004の規格改訂の重要ポイントを確認しました。ここで大切なことは、各項目における改訂内容の理解だけではなく、PDCAの流れの中で要求事項を捉えることです。
たとえば、PlanとDoのフローにおいて、数値化できる”環境改善の流れ”と、数値化が難しい日常管理や手順管理などの”適正管理の流れ”の大きく二つの流れがあり、各事項がそれぞれどのように位置づけられているかを把握しておくことが大切です。
用語の定義は規格要求事項を理解する上でとても重要ですので、しっかりした理解が必要です。特に『力量』(*1)という用語が新たに採用されています。
実施手順は、計画・準備・実施・報告・(再発防止)・フォーローアップとなります。 この流れは最低限覚えて頂きたいフローです。
監査は不適合(不具合)内容を指摘することが目的ではありません。これはあくまでも手段であって、不適合(不具合)内容をフィードバックすることでマネジメントシステムの完成度を高め、継続的に運用させることが上位目的です。したがって、監査員も監査を受審する側もポジティブに発展的な質疑応答が必要です。
本審査では内部監査の有効性の確認を受けます。すなわち計画・手順に従って監査は実施されているか、要求事項の適合性を監査しているか、の2点が重要なポイントになります。
監査員は力量(*1)の維持及び向上が必要とされています。実務経験を積み重ねるのはもちろんのこと、自己研鑽や社外研修会・セミナーへの参加により専門能力の継続的改善(CPD)(*2)に努めることが必要です。
⇒『常に全体のPDCAの流れを意識することが大切です』 |

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2.監査技法の説明 |
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監査のフローの中で最も大切な点は、「質問」においていかにして本質まで掘り下げた「答え」を引き出すかにあります。監査の目的はシステムの改善ですから、問題点の有無の確認だけではなく、問題がある場合は、どこに原因があるのか、どんな対応が考えられるのかまで突き止めていきます。
これには『コーチングスキル』の活用が効果的です。『コーチングスキル』とは相手から答えを引き出し、相手を活かすように導くツールです。
弊社ではコーチングの理論と体験の双方を盛り込んだコミュニケーション術の研修(次回開催)も行っていますので、参考にご覧ください。→コーチングセミナー(前回レポート)
⇒『コーチングスキルを身につけましょう』 |
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3.ワークショップ① 監査チェックリスト作成と監査準備 |
監査チェックリストは、監査の質の維持・向上や監査の効率運用はもちろんのこと、こうした効率的・効果的な監査を実施していることの証拠になり本審査において有用な資料となります。
ここで注意しておくことは、本チェックリストはツールであり、重要なのは監査員の心証(*3)なので、チェックリストをうめることばかりに重点を置かず、弾力的に運用することが大切です。
またチェックリストは3年ごとの改訂が理想的であり、改訂の度にシステムの完成度は高まりますから、初回のチェックリストは適合性の確認が中心となり、以後の改訂では有効性の確認が中心となります。 |
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4.ワークショップ② 模擬監査 |
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次に監査の模擬体験を行っていただきました。監査チームと被監査チームに分かれて全員が何らかの質問・回答をおこないます。
この模擬監査では、監査員と被監査者の双方の立場を経験できることに意味があります。監査員の立場からはいかに聞きだすかがポイントであることが感じられますし、被監査者の立場からは回答はデータ(数値)や、記録を示すことが客観性をもち説得力をもつことなどを実感されていました。
⇒『事実を引き出すことが大切なので、質問が最も重要です。監査員は「話させ上手」を目指しましょう』 |
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5.ワークショップ③ 監査結果のまとめと報告 |
最後に結果を相手に通知します。不適合内容、改善内容に関して意見交換することで互いに内容の摺り合わせを行います。双方の納得が必要です。
また良かった項目、評価できる項目に関しても積極的に伝えましょう。ほめる事が大切です。
⇒『非難にならないように留意し、ポジティブに次の改善につなげていくことが大切です』 |
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