フライブルクは環境先進都市として世界的に有名な町で、とても素晴らしい取り組みが行われていました。

環境先進国の事例からゴミ削減の取り組みを紹介したいと思います。

イベントでの再利用

フライブルグには30,000人収容することのできるサッカースタジアムがあります。年間に約200日のイベントがあります。

仮に1/3の10,000人がジュースを買い、飲んだとすれば紙コップ200万個のゴミが出ることになります。
このゴミの量は、半端ではありません。

そこでフライブルグ市役所と市民、そして業者の3者間で再生カップを利用しようと考えた訳です。

デポジット容器(貸し出し容器)を導入しようということになり、開発に取り組まれました。

このデポジット容器(貸し出し容器)は、1ユーロ(130円くらい)、中身のジュースは2ユーロ(250円くらい)で、合計380円払ってジュースを買います。

おかわりをしたい人は、飲み終えたカップを持っていくと、ジュース代2ユーロを支払えばいいのです。

イベントが終わって、帰るときにデポジット容器(貸し出し容器)を返却すれば、1ユーロもどってきます。
預かり賃制度なのです。

預かり金1ユーロの返却を面倒だと思って捨てて帰る人もいます。
これは、1ユーロ硬貨(130円)が落ちているようなものです。
10個集めると10ユーロ(1,300円)、20個集めると20ユーロ(2,600円)となり、必ず収集する人がいます。

面倒だから捨てて帰る人、置いてかえる人がいてゴミになりますが、必ず拾い集めて届ける人がいます。
その結果、デポジット容器(貸し出し容器)の98%は返却されるといいます。

残りの2%は私達のような人が思い出に持っているのでしょう。

使い捨て紙容器と、洗って再利用するデポジット容器(貸し出し容器)、いったいどちらが環境に優しいのでしょうか?

再利用の流れ

回収されたデポジット容器(貸し出し容器)を洗浄
洗浄センターへ運ぶ
洗浄し再使用可能状態にする
ジュース販売業者へ搬入する。

日本の学者が調査した結果によると、7回以上この工程を繰り返せば、7回目以降の洗浄作業は、リサイクルと比べて環境負荷が激減するという調査結果を出しています。

続けることによって環境に優しいことになります。
94年から始まったこのシステムは、今ドイツのあらゆるイベント会場や業者間で導入されています。

ワイングラスやペットボトル

ワインフェスティバルに行った時のことです。
とても立派なガラス製ワイングラスもデポジット容器(貸し出し容器)でした。

私は、2ユーロでワイングラスを借りていろいろなお店でワインをいれてもらいました。

お店で販売されているペットボトルの場合も同じ、基本的に再利用します。
ペットボトルの下に記があります。
これは、再利用した回数をココに記しているのです。

再利用は、最大40回まで行われます。

日本の場合、ペットボトルはリサイクルするために溶かしてまた使うという仕組みですが、ドイツは、リサイクルではなく、再利用するのが当たり前です。

ただしペットボトルも約40回再利用すると容器耐久性の限界となり、ここで初めてペットボトルはリサイクルへの工程へ進みます。

再利用を円滑にするためスーパーには、
ペットボトルの種類や色を自動判別する
自動返却機が設置されています。

返却機が無い場合は、レジに直接ペットボトルを持っていくと、預かり金を払い戻ししてくれます。

この町では、ゴミが全く見あたりませんでした。
ゴミを出さない考え方は、基本的に文化となっていました。